2026.07.07
相続
不動産の評価は難しい? ~不動産評価額と時価の関係性~

不動産を所有している場合、ご自身またはご親族の相続税がどれだけかかるのか、
売却を検討している場合には却額がいくらなのか、不動産を所有する目的によって様々な疑問が生まれます。
不動産の売却額については相手側の購買意欲や、所在地によって変動しますが、
不動産の評価額については、市役所から入手することができる資料やインターネット上で公開されている情報に基づき、
目安となる金額を推測することができます。
不動産は相続財産の中でも大きな金額を占めるため、生前にその評価額を把握しておくことは非常に重要です。
そこで今回は、不動産の評価方法と時価の考え方について幅広くご説明いたします。
1不動産の評価額とは?
ご家族に相続があった場合、もしくは不動産の売買を検討する場合、不動産の評価額を目安に、これらの金額の根拠とすることができます。
不動産を評価する場合、売却や購入、相続時点の「時価」をもって評価額とするのですが、
何をもって時価を評価額と考えるのか、その基準を明確にする必要があります。
2不動産評価額の種類と調べ方
不動産の評価額は、原則的に「固定資産税評価額」「相続税評価額」「公示価格」の3種類あり、
目的に応じてこれらの評価額のうち、いずれかを用いることになります。
それぞれの評価額の内容について見ていきましょう。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、固定資産税が課税される際の基準となる評価額となります。
不動産を所有していれば毎年固定資産税を支払う義務が生じることになるので、身近に感じる評価額でしょう。
固定資産税評価額は毎年4月から6月頃に届く「固定資産税納税通知書」に記載されており、
固定資産税のみならず、不動産を購入したときに課税される「不動産取得税」、登記の際に支払う「登録免許税」についても
固定資産税評価額を基準として計算されることとなります。
相続税評価額
相続税評価額は相続税や贈与税を算出する際に用いる評価額をいいます。
不動産の所在地によって路線価方式と倍率方式の2つの方法があります。
(1)路線価方式
下記の算式により評価額を算出します。
評価額=路線価×地積×調整率
路線価とは道路に面している土地の1㎡あたりの評価額で、国税庁のホームページに公表されている路線価図から調べることができます。
土地の形状がいびつで利用勝手が悪い土地や、道路に面する土地の間口が狭い土地は、建物の配置が制限されることになるので、
きれいな正方形や長方形の形状をした土地に比較して減額されることとなります。
(2)倍率方式
路線価図により路線価が付されていない地域については「固定資産税評価額×倍率」により評価額を算出します。
倍率は国税庁のホームページに掲載されている評価倍率表により確認することができます。
公示価格
公示価格は国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公表する不動産価格をいい、固定資産税評価額や相続税評価額(路線価)の基準となります。
公示価格は毎年公表されるので不動産価格の現在の水準を推測することに用いることができます。
ただし実際の不動産の取引価格は土地の形状や道路幅、その他個別事情によって大きく変化しますので、
公示価格はあくまで不動産相場を知る1つ参考指標として用いることとなります。
3不動産評価額と売却価格との関係は?
先に挙げた「固定資産税評価額」「相続税評価額」は自力で算出することができる不動産評価額となります。
ここでは、「固定資産税評価額」「相続税評価額」が実際の売却価額とどのような関係性にあるのかについてご説明いたします。
固定資産税評価額と売却価格との関係
固定資産税評価額は各市区町村が算定するのですが、公示価格の70%の水準になるように調整されていますので、
固定資産税評価額を0.7で割戻すことにより、公示価格を把握することができます。
公示価格と売却価格の関係は地域によって異なるのですが、売却価格はおおよそ公示価格の1.1倍から1.2倍と言われているので、
固定資産税評価額は売却価格の0.6倍から0.65倍を目安に考えることができます。
相続税評価額と売却価格との関係
相続税評価額は路線価に基づき算出されるのですが、路線価は公示価格を参考に国税庁によって評価が行われ、
公示価格の80%の水準になるように調整されています。
相続税評価額を0.8により割戻すことによって公示価格を掴むことができます。
ただし相続申告や贈与申告においては路線価のみならず、土地の形状や大きさ、道路幅などを鑑み、
相続税法独自のルールにより一定割合減額して評価を行います。
一概には言えませんが、相続税評価額は売却価格のおおよそ0.7倍から0.75倍を目安に考えることができます。
4まとめ
相続税を試算するための評価額であれば、路線価に基づく相続税評価額により、おおよその評価額を把握することができます。
ただし、実際の相続や贈与申告書における評価は、一定の条件で減額要素が発生しますので、注意が必要です。
また、売却価格の算定に関しては、概算の時価で取引をした場合、税務署の税務調査によって、その取引価格を否認される可能性がございます。
今回ご紹介した評価はあくまで参考程度と捉えて、実際に取引をする場合には不動産会社に査定を依頼されることをお勧めいたします。
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